INSAINT

New EP

「INSAINT」

2023.09.29 Release


INSAINT

「insane」(常軌を逸した、馬鹿げた、狂った)と「saint」(聖人、聖者)を掛け合わせた造語。一般的な観念からは「おかしい」と形容されるような、社会的規範から逸脱した領域にしか宿らない聖性のこと。

わたしたちが生きるこの世界において「一般的」で「健常」な人間で居ることはあまりにも難しい。社会をつくる構造そのものが搾取や格差、差別を内包しているからだ。ひとたび規範から逸れれば、変わった人として扱われ、時に蔑まれたり、存在を透明化されたりして、だんだん正気では居られなくなる。システムや「普通」の枠から取りこぼされ、自分がおかしいのではないかと自分を疑い続け苦しみながら今を生きる全ての人のために、このアルバムが、2023年のハードコア・パンクが、フェミニズムが、存在しますように。祈りを込めて制作しました。


In the world we live in, being "common" and "physically healthy" individuals is often incredibly challenging. This is because the very structure of society itself often embodies exploitation, inequality, and discrimination. Once you deviate from the norms, you're often treated as a different kind of person, sometimes ridiculed, and your existence may be marginalized, which can gradually make it difficult to maintain your sanity. For everyone who feels left behind by the system and the confines of what is considered "normal," who continue to doubt themselves and suffer while living in the present, may this album, the hardcore punk of 2023, the feminism, exist for you. It was created with all my prayers.

    聴く者に強烈な言葉の塊をぶつけるシンガーソングライター/ポエトリーラッパー、春ねむり。唯一無二の音楽を紡ぐ彼女のXは、現在大部分がイスラエルによるパレスチナ虐殺に関するポストで占められている。彼女は虐殺がやまないこの世界とどう向き合おうとしているのか。

    取材・構成 / 高木“JET”晋一郎 撮影 / 武馬怜子 初出 / 実話BUNKA超タブー

    実話BUNKA超タブー

    米音楽レビューサイト・Pitchforkで2022年発売の2ndフル・アルバム『春火燎原』が8.0点の高評価を獲得し、『Primavera Sound』や『SXSW』をはじめとする海外の大型フェスティバルにも出演、シンガーソングライター/ポエトリーラッパー/トラックメイカーとして世界から注目を集める春ねむりが、昨年9月に待望の新作EP『INSAINT』をリリースした。

    自身初となる「全曲バンド編成」で制作された本作は、21曲入りのフル・ボリュームで構成された前作に比べ、6曲合わせても20分弱という非常に短尺で作られながら、春ねむりの思想がより前景化した実験的な作品集となった。これまで春ねむりが貫いてきた音楽性を「解体」し、自身の音楽的ルーツであるハードコアやパンクをこの時代に描こうとしながら自らの人生を背景に忍ばせ、自由への解放を唱えようとする──。〈魂だけ持っておいでよ きみを殺すものの全てを 壊しにゆこう〉(「ディストラクション・シスターズ」)と力強く歌われるその声と鋭利な音の洪水は、聴く者の心を激しく鼓舞し、「生きたい」という強い希望へと導いていくはずだ。

    今回のインタビューでは『INSAINT』のレコーディングに携わったメンバーとして、春ねむりの他にリードギターのHiiro(ヒイロ/Fall of Tears)、ドラムの尾日向優作(オビナタユウサク)、またサウンドエンジニアの山本創(ヤマモトハジメ)、レコーディングのディレクションを担当したマネージャーの村上港土(ムラカミミナト)の計5名に参加いただき、様々な実験の末に完成させた『INSAINT』の制作の裏側と、春ねむりという1人の表現者から感じ得た新たな視点を縦横に語ってもらった。

    タイトルの『INSAINT』は、「insane(狂った)」と「saint(聖人)」を組み合わせた造語だという。そこには社会の構造を疑い、その構造の外側にこそ宿る聖性を追い求めてきた彼女の不変のテーマが込められている。10月から約4年半ぶりとなるヨーロッパ・ツアーを完遂した春ねむり。走り続ける彼女の現在地を聞いた。

    Writer / 辻本力 Editor / 星野 Photo / 井上恵美梨

    musit

    1995年生まれ、横浜出身のミュージシャン、春ねむり。自身で作詞、作曲、編曲を手がけ、音楽的にも思想的にもさまざまな文脈が感じられる楽曲を生み出しながら、2023年には北米、ヨーロッパ、アジアを回るツアーを開催するなど、国内のみならず世界中で注目を集めている。

    歌で、語りで、叫びで、強く訴えかけてくるような切実なメッセージを放つ彼女の楽曲とパフォーマンスは、ままならさを感じて生きている人々にとって、あるいはままならなさの正体に気づく前の人々にとって、その道を照らす光になるのではないか。

    今回のインタビューでは、彼女が音楽を通した表現に出会う前のことや、自身が感じる葛藤や怒りを社会的なイシューと結びつけて考えるようになったきっかけ、いま、音楽をする背景で考えていることや、目指したい世界像について伺った。記事の最後では、この世界を生きる人びとへの「祈り」が感じられるメッセージを届けてくれた。

    取材・文 / 日比楽那 編集 / 篠ゆりえ 写真 / あさのりな

    あしたメディア by BIGLOBE

    初めて全編バンド・レコーディングで制作された最新EP『INSAINT』は、春ねむりが自身の「解体」に着手したエポックメイキングな一作だ。コラージュとクロスオーバーを極めた前作『春火燎原』とは対照的に、ギリギリまで削ぎ落とされたパンク/ハードコアへと回帰を果たしたそのサウンドからは、彼女の熾烈なメッセージと燃えるようなポエトリーに直で触れることができる。

    タイトルの『INSAINT』は、「insane(狂った)」と「saint(聖人)」を組み合わせた造語だという。そこには社会の構造を疑い、その構造の外側にこそ宿る聖性を追い求めてきた彼女の不変のテーマが込められている。10月から約4年半ぶりとなるヨーロッパ・ツアーを完遂した春ねむり。走り続ける彼女の現在地を聞いた。

    Interview / 粉川しの Photo / Shintaro Oki(fort)

    Billboard JAPAN

    春ねむりが新作EP『INSAINT』を完成させた。昨年4月にアルバム『春火燎原』を発表して以降、3度に及ぶ北米ツアーをはじめとした海外公演を積極的に行う一方で、7月にはリキッドルームでのツアーファイナルを大盛況で終えるなど、国内外で彼女の存在感が日に日に増していることが感じられる中で発表された新作は、自身のルーツにあるハードコアパンクを初のバンド録音で、あくまで2023年の形で鳴らしてみせたもの。

    また、『INSAINT』というタイトルは「insane」(常軌を逸した、馬鹿げた、狂った)と「saint」(聖人、聖者)を掛け合わせた造語であり、「一般的な観念からは『おかしい』と形容されるような、社会的規範から逸脱した領域にしか宿らない聖性のこと」というテーマは彼女がこれまでも一貫して描き続けてきたライフワーク的なもので、本作ではその哲学の背景にある自身の生い立ちを作品に大きく反映させてもいる。10月からは4年ぶりのヨーロッパツアーをスタートさせる春ねむりに、制作の過程を語ってもらった。

    Author / Atsutake Kaneko Photo / Yukitaka Amemiya

    Rolling Stone Japan

     『サイバーパンク2077』といえば「加速し過ぎた未来」を描くシナリオやオープンワールドの描写、シナリオ、様々なアプローチを用意した戦闘など、もはや“過剰”なほどに各コンテンツを作り込んだ作風で大きな話題を呼んだ作品だ。そんな“過剰な作り込み”のひとつとして、本作のサウンドトラックの存在も忘れてはいけない。

    新ラジオ「グラウルFM」はコンペティション形式で募集され、なんと国内のシンガーソングライターである「春ねむり」さんの新曲『さまよえるままゆけ』の収録が決定したのだ。

    本記事では、そんな注目のミュージシャンである春ねむりさんのインタビューをお届けする。

    聞き手 / りつこ・実存 撮影 / 佐々木秀二

    電ファミニコゲーマー

    2022年のベストに挙げる人が国内外ともに多かったフルアルバム「春火燎原」に続き、春ねむりが6曲入りEP「INSAINT」をリリースした。

    集大成的な傑作をものしたあとだけに、当時のインタビュー(参照:春ねむり「春火燎原」インタビュー)で「次はめっちゃ気の抜けたものを作りたい。延々四つ打ちみたいな」と笑っていた春ねむりだったが、意外にも今作では全曲バンドセットでのレコーディングを敢行。しかし奇妙さと荘厳さとバイタリティを兼ね備えた独創的な音作り、強烈なメッセージ性はバンドでも健在である。

    2023年も海外での活躍が目覚ましい春ねむりに、音楽ナタリーは4度目のインタビューを実施。渾身の6曲についてたっぷり話してもらった。

    取材・文 / 高岡洋詞

    ナタリー

    「これが新世代のジェイポップ、こころはロックンロール」

    自身の音楽性をそう表現するのは、北米、ヨーロッパ、アジアをツアーで回るなど、世界を股にかけて活躍する春ねむり。シンガーソングライター、ポエトリーラッパー、プロデューサーの肩書きを持つ、横浜出身の28歳だ。

    愛や怒りといったざらざらした感情を曲に乗せて、歌い、叫ぶ。そのずば抜けた表現力に、世界中のリスナーが心を動かされて、米メディア「Pitchfork」で高得点を獲得(フルアルバム『春火燎原』で)するほど国際的な評価を受けている。

    彼女が放つメッセージは、決して万人受けを狙ったものはない。本人の言葉を借りると「全然友達ができなくて、教室の隅で一人でごはんを食べているような人」に向けて歌っている。それゆえに一部のリスナーに、深く、深く刺さるのだろう。

    そもそも彼女はなぜ、世界に飛び出したのか。その先に何を目指しているのか。話を聞いた。

    文 / 田中友梨 写真 / 山田大輔

    Forbes JAPAN

  1. ディストラクション・シスターズ / Destruction Sisters
  2. わたしは拒絶する / I Refuse
  3. 生存は抵抗 / Surviving is Resistance
  4. サンクチュアリを飛び出して / Flee from the Sanctuary
  5. インフェルノ / Inferno
  6. No Pain, No Gain is Shit
各種配信サイト

    横浜出身のシンガーソングライター/ポエトリーラッパー/プロデューサー。自身で全楽曲の作詞・作曲・編曲を担当する。

    2018年のファーストフルアルバム「春と修羅」は圧倒的高評価を受け傑作となり、アメリカ最大の音楽評価サイトで世界33位(RATE YOUR MUSIC)、世界27位(Album of The Year)にそれぞれランクイン。現在のストリーミング総再生数は1000万回をゆうに超える。

    2019年、マレーシア・台湾の大型ロックフェスへ出演し、3月からは香港・上海・北京・台湾・日本と、アジア全5ヵ所を回るツアーを開催。6月にはヨーロッパを代表する20万人級の巨大フェス「Primavera Sound」に出演のほか、6ヵ国15公演のヨーロッパツアーを開催し、多数の公演がソールドアウトと大盛況で幕を閉じる。

    2020年、オリジナルアルバム 「LOVETHEISM」を完成させ、全3本をマイナス30度という極寒のロシアで撮影したミュージック・ビデオと共に海外リスナーからポジティブな反応が続出。同アルバムがフランスのレーベルよりアナログ盤としてリリース、カンヌで開催された世界各国の新進気鋭のアーティストを紹介する「Midemタレント・エクスポーター」に日本人として初選出。

    2021年に入り、1月「bang」、3月「祈りだけがある」、5月「セブンス・ヘブン」、7月「Old Fashioned」、10月「Déconstruction」と、ハイペースでリリース。また、全世界から選ばれた300組近い気鋭のアーティストが出演した「SXSW Online 2021」では、ニューヨーク・タイムズのチーフであり音楽評論家のジョン・ペアレスが春ねむりを選出し”ニューヨーク・タイムズが選ぶベストアクト15”に選ばれた。その他にも「Live on KEXP」といった数々の海外著名イベントへの出演も果たす。

    そして、2022年3月には自身初となる北米ツアーを開催し、ブルックリン、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ダラスの予定していた5公演すべてのチケットがフルキャパシティにも関わらず完全ソールドアウトとなった。

    その後の「SXSW」では急遽「FLOODfest」への出演が決定し、へッドライナーを務めたロシアのフェミニスト・パンク・ロック集団「Pussy Riot」のステージに招かれ、彼女らのオープニング曲である "Police State" でサプライズゲストボーカルとして参加。

    ファーストフルアルバム「春と修羅」から今なお増え続ける北米でのリスナー数は国内のおよそ十倍にも膨れ上がり、グローバルな評価は加速度的に高まっている。

    2022年4月に発表された2ndフルアルバム「春火燎原」は、アメリカで強い影響力を持つ音楽メディア・Pitchforkで8.0点という高得点を獲得した。2023年9月にEP「INSAINT」をリリース。10月に4年ぶりのヨーロッパツアーを敢行する。

    これが新世代のジェイポップ、こころはロックンロール。

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